技術系エンジニアの約3割が五月病の経験あり

春は気候的に過ごしやすいため、本来なら体調が整いやすい時期だが、その影に忍び寄るのが「五月病」。五月病にはどのような症状があり、どのように対処すればよいのかを、関西メーカー専門の転職エージェントであるタイズが調べ、4月23日に結果を明らかにした。調査は2019年4月5日~9日、「五月病に関する調査」と題したインターネット調査で20〜30代の会社員として働くエンジニアを対象に行われた。回答数は事前調査2,200名、本調査225名。


冒頭で五月病になったことがあるかを尋ねている。「ある」と答えたのは32.4%。つまり、会社員として働くエンジニアのおよそ3人に1人が五月病を経験していることが分かった。なお、そのうち39.3%が技術系職種であった。以下の設問は、「技術系エンジニア」に絞って尋ねた結果である。


  • 学生時代……18.2%
  • 社会人1年目……33.3%
  • 社会人1~3年目……53.7%
  • 社会人4年目以降……28.0%


最も多かったのは「社会人1年目」の33.3%。次点が「社会人1~3年目(53.7%)」となることから、いわゆる若手社員と言われる時期が半数以上を占める結果になった。


レポートには、回答者から寄せられた五月病になった際のエピソードが抜粋されていた。内容は下記の通り。

  • 「新卒で就職した際、職場の雰囲気が学生時代と違っていてすごく不安になった」
  • 「4月に後輩ができ先輩として気合いを入れて指導にあたっていたが、自分がまだまだ半人前であるということに直面することが多く、徐々にやる気を見い出せなくなってしまった」


五月病だと感じた際の症状にはどのようなものがあるのだろうか。調査でも調べており、トップは「やる気が出ない」(38.2%)。そして「会社に行きたくない」(22.2%)、「焦りや不安を感じる」(15.6%)と続く。わずかではあるが、気持ちの面だけでなく、実際に身体に異変を感じたという声もあった。



※株式会社タイズ調べ


以下に回答者から寄せられた五月病の症状に関するエピソードとして挙げられていた内容を紹介する。

  • 「胃がキリキリして食欲がなくなった」
  • 「朝の準備や通勤がおっくうになり、寝坊をしたわけではないのに始業時間ギリギリにしか出社できなくなった」


「五月病」要因は、「就職・転職・復職」(22.2%)という意見が最も多く、以降も「業務トラブル」(18.2%)、「繁忙期」(15.6%)など、仕事面での環境変化によるものが回答の大多数を占めた。



※株式会社タイズ調べ


エンジニアは専門性の高い職種である分、自身の経験・スキルと会社のやり方のバランスをとるのが難しい一面もある。そういう意味で、新たな環境に慣れるまでは、より時間やパワーを要するのかも知れない。

「五月病」をどうやって乗り越えたのだろうか。『実践した対処法』として、該当する者を選んでもらっている。最も多かった回答は、気がついたら治っていた、というような「自然治癒」(46.7%)。次いで、「趣味に没頭する」(15.6%)、「誰かに相談をする」(13.8%)となった。沈んだ気分を転換させるような対策を取った人が多いようだ。また、生活習慣の見直しや、思い切って環境を変えることで気持ちを切り替えたという意見もあった。



※株式会社タイズ調べ


春になり新しい環境、新しい人間関係の中に身を置くことで、悩みを抱くことも多い時期だが、そんな中で、気分がすぐれない、不安な気持ちになる、やる気が出ない、と感じるのは決して珍しいことではないと言える。また、一口に五月病と言っても、症状も乗り越え方も人それぞれのようだ。自分に合ったリフレッシュ方法を見つけるとよいかも知れない。

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