国内のRPAブームは一旦収束するも、市場は2022年度には800億超まで拡大

生産年齢人口の減少による慢性的な人材不足への備えとして、昨今注目を浴びているRPAだが、国内RPA市場規模は今後どのように推移していくのだろうか?株式会社矢野経済研究所は、国内のRPA市場を調査し、カテゴリー別の製品・サービス動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

なお、本調査における「RPA市場」とは、サーバー型およびクライアントPC型のRPAツール製品、RPA診断サービス、RPA導入支援サービス、RPA業務プロセス自動化サービス、RPA活用業務プロセス改善コンサルティング、RPA運用保守サービスなど、RPA関連サービス全般を指す。


RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)市場規模推移・予測


※株式会社矢野経済研究所調べ


2018年度上半期は、政府による働き方改革推進が追い風となり、RPAの社会的認知度が高まり、大手や中堅のユーザー企業を中心にRPAの導入が増加。しかし下半期には、RPAに対して過度な期待を持ったユーザー企業が、導入後に失望感を感じたケースが散見され、RPA適用における課題やリスクが認識されるようになった。

ブームは収束の兆しを見せたものの、先行したユーザー企業の多くが、導入製品・依頼先ベンダーの再検討や、RPA活用を前提とした環境・業務・ガバナンスの整備、また、AI・OCR・BPMなどの周辺技術を連携した精度向上・自動化領域の拡大などの取り組みに着手している。

なお、多くのSIerやITコンサルティング企業でRPA事業が開始されているほか、自社サービス内にRPAを組み込んだSSC事業者やBPO事業者、RPA人材の育成・派遣事業を展開する人材派遣業者など、多様な事業者がRPA市場に参入している。

レポートには、RPA市場に関する注目トピックと将来展望がまとめられていた。以下に要約をまとめた。


■注目トピック:今後は高度なコンサルティングが求められるように
2016〜2017年頃の市場黎明期では、最適な製品選定や自動化対象の業務選定など、比較的、実現難易度が低いニーズが過半であったが、その後、市場における導入事例の蓄積や有力メーカーによる日本法人設立、製品やドキュメントの日本語化などが進んだ。その結果、今後は、投資効果の可視化、組織運営や業績向上に直結する成果、高度なコンサルティング能力などを、製品・ソリューション提供事業者に求めるユーザー企業が増加していくと考える。


■将来展望:ツールは単価が下落。サービスの伸び率が高くなる見通し
RPAは今後も大手ユーザー企業の全社展開や海外拠点への展開、中堅・中小企業への導入が進むが、「RPAツール製品」は、他の成熟したパッケージソフトウェアと同様に価格競争により単価が下落していくと考えられる。RPAツール製品の導入後は、活用業務プロセス改善コンサルティングや運用保守サービスの拡大が見込まれるため、RPAツール製品に比べ、「RPA関連サービス」の伸び率が高くなっていくと推察される。

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