5割がセキュリティへの懸念を持ちつつも、4割が未対策。マネージャー層への調査で明らかに

昨今、「働き方改革」の一環としてテレワークや在宅勤務が注目されているが、オフィスとは異なる環境で仕事を行うため、企業の情報管理のあり方を見直すべきとの声が高まっている。サーバやユーザ端末などを守る情報セキュリティ(エンドポイントセキュリティ)ソフトを開発、販売しているワンビが2018年11〜12月、従業員数300人以下の企業のマネージャークラス以上の111名を対象に実施した、情報セキュリティに関するアンケート調査から、情報管理のあり方をどう考えているのかを紹介する。



『あなたの会社ではテレワーク(リモートワーク)を許可していますか?』



※ワンビ株式会社調べ


インターネットやPC、モバイル端末などを駆使し、場所に囚われない働き方をするテレワークを導入する企業が増えている。実施状況にについて「すでに許可している」と「許可する方向で検討している」を合わせると34.1%となり、3割以上の企業がテレワークに対して積極的である。


その一方で、「許可していない(31.8%)」、「許可しない雰囲気がある(6.8%)」と回答した消極的な企業が約4割もあり、慎重な姿勢が垣間見られた。


テレワークの実施に当たり、セキュリティの問題は避けて通れない。セキュリティに関する懸念があるかどうかの質問に対し、約半数の企業が「ある」と回答。「ない」は22.2%にとどまり、セキュリティに関する懸念の高さがうかがえた。



『あなたの会社においてセキュリティに関する懸念はありますか?』



※ワンビ株式会社調べ


レポートでは具体的な懸念要素について触れられており、そこには「情報漏えいのリスク」、「防犯カメラ、施錠の甘さ」、「ウィルス対策」、「パソコンの管理」、「パソコンの盗難・紛失」などが挙がっていた。


また、そうしたリスクに関して、『あなたの会社では、情報漏えい、パソコンの盗難・紛失のリスクに関して、方針、ルール、実際の対策(アクセス権限やソフトウェアの活用など)を十分に行っていますか?』との質問で、実施情報を調べている。




※ワンビ株式会社調べ


5割以上が積極的にセキュリティ対策を行っているものの、行っていなかったり、消極的だったりする企業も4割以上存在することが分かった。


情報セキュリティにおいて、肝心なのは意識を持っているかどうかだろう。リスクに直面したとき、わずかな意識の違いで未然に防げるものも、防げなかったということはある。どの程度の意識を持っているのか尋ねており、結果は「経営層も従業員も高い意識を持っている」が14.8%、「経営層だけが高い意識を持っている」が9.3%であった。これらのことから、意識の高い経営層は少なくないことが分かる。



『あなたの会社は情報セキュリティに関してどの程度意識していると思いますか?』



※ワンビ株式会社調べ


しかし、情報セキュリティに関して、「会社内の一部の人たちが意識している(51.9%)」、「会社内のほとんどの人が意識していない(13.0%)」の数値を見ると、やはり意識の低い企業も相当数あるようだ。


「働き方改革」の一環で、テレワークを導入すると、情報漏えいやパソコンの盗難・紛失などの情報セキュリティの面も考慮する必要が出てきくる。つまり、テレワーク普及と情報セキュリティの強化は車の両輪とも言える。


しかし、今回の調査結果からは、残念ながら、いまだ情報セキュリティの強化に関し、高い意識を持って取り組んでいる企業は多いとは言えない状況が見えてきた。今後、テレワークを導入する企業が増えるにつれて、これらの課題は浮き彫りになってくると考えられる。今は、テレワーク実施の予定がなくとも、先を見越した対策を始めたほうがよいかも知れない。

この記事を「シェア」お願いします。

この記事にコメントする

コメントを投稿するには会員登録(無料)が必要です。
入会いただいた方の中から抽選で、
Amazonギフト券(1,000円分)を30名様に贈呈!

また、入会者全員にビジネスに役立つ話題の書籍等と交換できるPRO-Qポイント「100ポイント」もプレゼント中!

プロフィールPROFILE

PRO-Q 編集部

PRO-Qは「人事/営業・マーケティング/経営者/財務・経理/ITエンジニア」の職種に特化したアンケートメディアです。 職種ごとのサイト展開で、専門テーマのアンケートを毎日実施中。編集部が厳選したトレンドニュースやアンケート調査レポート、PRO-Q著名人インタビューなどを掲載中。 ビジネスに役立つ知識の情報源として、「PRO-Q」をご活用下さい。

アンケート集計結果レポートREPORTS

同じキーワードがつけられた記事SIMILAR ARTICLES