~「ワークスタイル改革に関する個人の意識および課題調査」結果より~ 在宅勤務「実施前」と「実施後」ではその効果や不安にギャップあり

「長時間労働削減と生産性向上の両立は可能か否か」についてたびたび議論されるが、働き方の選択肢を増やすことが、ITエンジニアの働き方にどのような影響を及ぼしていくのだろうか。一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会が、昨年8月に発表した調査データから紐解いていこう。


同協会は2015年度よりワークスタイル改革コミュニティを設け、ワークスタイル改革のためのIT化整備にまつわる課題や対策などの研究活動を進めてきた。調査は2017年12月、会員企業を対象に行われ、有効回答 427件(男性 86%、女性 14%)であった。


とかく長時間労働に陥りやすいITエンジニア。ワークスタイル改革の必要性について、実に「96.0%」が必要だと感じていた。また、ワークスタイル改革をすでに「実施中」と答えたのは 60.7%、「実施前(計画中および実施予定なし)」は 39.3%であった。


『ワークスタイル改革での、あなたにとって最も重要な施策は?』との問いに対して、最も多かった回答が「会議やチームワークの効率化」(33.7%)で、「在宅勤務」(26.1%)、「モバイルワーク」(16.8%)と続いた。従来から実施されてきた会議やチームワークの効率化に加え、在宅勤務などが重視されるようになったことが見てとれる。



※一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会調べ


自身が在宅勤務、モバイルワークをする場合の「ポジティブな影響」について尋ね、ワークスタイル改革を「実施している」と「実施していない」(未実施および計画中)で比較したのが下図だ。



※一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会調べ


在宅勤務、モバイルワークをする場合のポジティブな影響として、「通勤や移動時間への効果」が、「実施している」と「実施していない」の両方でトップとなり、多くの人が通勤や移動時間に負荷を感じていることがうかがえる。


「生産性向上にも効果がある」という回答も多かった。特に「実施している」の回答者において、生産性への効果が上がっていると実感しているようだ。このことは、在宅勤務やモバイルワークが、事前期待値よりも生産性が向上することを示唆していると考えられる。


いっぽうで、「育児・介護に関して有効である」は、「実施している」とした回答者では36.9%なのに対し、「実施していない」とする回答者では53.4%とさらに高い数値であった。これは実施前の期待値が高すぎるものと考えられる。


続いて、自身が在宅勤務、モバイルワークをする場合の「ネガティブな影響」について、ワークスタイル改革を「実施している」と「実施していない」(未実施および計画中)で比較した結果を紹介する。



※一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会調べ


在宅勤務、モバイルワークをする場合のネガティブな影響として、「実施していない」人は、「仕事とプライベートの区切りが難しい」や「コミュニケーションに関する不安がある」という回答が多いが、「実施している」回答者ではこれらの項目は減少。また、「疎外感や孤独感がある」という項目では「実施している」が上回っている。


「“部下”が在宅勤務、モバイルワークをする場合の“ポジティブ”な影響」を尋ねると、「実施している」では「ワークライフバランスに効果がある」との期待が高いが、「実施していない」回答者では減少している。


 

※一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会調べ


さらに、「“部下”が在宅勤務、モバイルワークをする場合の“ネガティブ”な影響」を尋ねると、「実施していない」では「部下とのコミュニケーション」を懸念するものの、「実施している」となるとコミュニケーションについての課題感は減っている。


なお、本調査では性別、年代、職責、業種に関するクロス分析について、まとめている。一部を抜粋して紹介する。


・性別

女性は「実施前」にはコミュニケーション等に対する不安が大きいが、「実施中」となると回答者ではそれらの懸念が大幅に減る。育児や介護への在宅勤務の効果は男女ともに評価が高い。


・年代

年代別の分析では、相対的にワークスタイル改革の必要性を感じているが、「特に必要を感じない」という回答は 20代が一番高い。


・職責

経営層では、会議やチームワークの効率化を重視する傾向がある。一般職では、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィスなどの、時間や場所の自由度を上げる施策を重視する傾向がある。


・業種

商社流通業と金融業では、在宅勤務を重要施策とする回答が他業種に比べて高い。また、金融業では、ワークスタイル改革を生産性向上や業務プロセスの見直しと位置付けているようである。

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