MMD研究所は2018年12月5日、マカフィーと共同で実施した『「モノ・コト」インターネットがもたらすライフスタイルの変化　日本におけるIoT意識調査』の結果を公表した。調査対象はスマートフォンを利用する20～69歳の男女1000人。

調査では、IoTやIT端末をどのような用途に利用したことがあるか、どのような用途に利用したいかということを主に調べている。どのような用途に利用したことがあるかという問いに対しては、「書籍、雑貨の購入」（45％）、「日用品の購入」（43.2％）、「洋服の購入」（38.6％）と、物品の購入が上位を占めた。その後は「荷物の到着日の変更（再配達依頼）」（35.2％）、「ご飯のレシピの確認」（33.7％）が続く。

※IoTやIT端末をどのような用途に利用したことがあるか（出典：MMD研究所、マカフィー）

「生活に取り入れたいIoT」、つまりIoTやIT端末をどのような用途に利用したいかを問う設問の集計結果を見ると、「生活にとても取り入れたい」と「やや生活に取り入れたい」という回答の合計の1位が「荷物の到着日の変更（再配達依頼）」（49.1％）であった。2位以降は「エアコンのon/offや消し忘れの通知」（43.6％）、「鍵関連（解錠/施錠、施錠状況の確認）」（43.6％）、「部屋の電気のon/offや消し忘れの通知」（41.8％）、「家の内外の遠隔監視」（40.2％）という結果。

※IoTやIT端末をどのような用途に利用したいか（出典：MMD研究所、マカフィー）

この結果からは、すでに普及しているサービスと、現在普及しつつあるサービスの違いが読み取れる。「どのような用途に利用したことがあるか」の上位を占めた物品購入については、Web通販のサービスがすでに広く普及しており、相当数の利用者がいるため、このような結果になったと考えられる。

一方、「どのような用途に利用したいか」の上位を見ると、1位の「荷物の到着日の変更（再配達依頼）」は大手宅配業者がすでにサービスを提供しているが、2位以降の「エアコンのon/offや消し忘れの通知」、「鍵関連（解錠/施錠、施錠状況の確認）」などは、そのようなサービスの提供が始まったばかりで、利用者がごく一部にとどまっている。多くの人は利用したいと考えているが、家電の買い換え時期がまだやってこない、複数の同種サービスの中から良いものを選びたいなどの意向が働いていると考えられる。

健康に関する設問でも同様の傾向が

続いて、健康に関連することで、IoTやIT端末をどのような用途に使ったことがあるかを問う設問の集計結果を見ると、1位が「歩数の確認・管理」（25.6％）。2位以降は「生理日の確認、管理」（11.8％）、「体重、体脂肪計の確認、管理」（11.7％）、「自分の症状の確認」（7.6％）、「睡眠状態の確認、管理」（7.3％）となった。

※健康に関連することで、IoTやIT端末をどのような用途に使ったことがあるか（出典：MMD研究所、マカフィー）

そして、健康に関することで、IoTやIT端末をどのような用途で利用したいかを問う設問の集計結果を見ると、「生活のとても取り入れたい」と「やや生活に取り入れたい」の合計値が1位となったのは「体重・体脂肪計の確認、管理」（42.7％）だった。2位以降は「血圧、心拍数など健康状態の確認、管理」（37.4％）、「自分の症状（熱、病気）の確認」（37.3％）、「睡眠状態の確認、管理」（36.5％）、「歩数の確認、管理」（33.6％）となった。

以上2設問からは、「IoTやIT端末をどのように利用したいか」を問う設問の結果と同じ傾向がうかがえる。すでに使ったことがある用途の1位に挙がった「歩数の確認・管理」については、スマートウォッチや多数のスマートフォンがこの機能を標準で搭載しており、端末を持ってさえいればすぐに使える状態にある。このことから、多くの人が利用したことがあると回答したと考えられる。

また、「どのような用途に利用したいか」で挙がった項目を見ると、対応機器は登場しているものの、広く普及しているとは言いがたい。その結果、サービスを利用したいが、現在は利用していないという回答になったと捉えられる。