現場をリードできるデジタル人材育成に向けた取り組み。DX先進企業も、8割がスキル習得の学習機会は「不十分」と回答。
企業は「社内のデジタル人材」にどのような役割を求めているのか
DXを推進するにあたり、「デジタル人材の育成」は多くの企業で喫緊の課題となっている。では、現状はどのようになっているだろうか。
はじめに、「DX人材の定義」を示した上で、「DXの取り組みに必要な社内人材」について尋ねたところ(複数選択可)、トップは「全社DX企画・推進者」で61.7%だった。以降、「現場DXリーダー」が57.8%、「現場DX企画・推進者」が53.8%、「全社DXリーダー」が52.8%と続き、いずれも半数以上が回答。“現場でDXを主導して推進できる人材”や“課題の発見ができる人材”が求められていることが明らかとなった。
DX推進において必要なスキルは「アイデア企画・構想力」と「課題発見力」
次に、スキルの一覧を提示し「DXを推進するために必要なスキル」について聞くと、最多だったのは「アイデア企画・構想力」が64.1%で、次点に「課題発見力」と「先進IT技術に関連する知識」がともに60.1%で続いた。以降、「プロジェクト・マネジメント力」が58.7%、「業務プロセスデザイン力」が55.4%となった。
8割以上が「DXのスキル習得の学習機会がない」と回答
最後に、「必要なスキルを身につけるための学習機会が設置されているか」を尋ね、DXの推進状況に応じて分類した。
そのうち「DXを全社的に推進する企業(445社)」を見ると、「十分に設けられている」という回答は14.8%にとどまった。残り85.2%の回答内訳は、「設けられているが不足している」が37.5%、「設けることを検討中」が17.3%、「設けていない」が25.8%、「わからない」が4.5%となり、「学習機会は不十分」だと感じていることがわかった。
また、「一部部署等で推進している企業(231社)」では、「十分に設けられている」が5.2%にとどまり、それ以外の回答の合算が9割を超えた。
このように、企業としてはDXを推進している一方で、社員への学習機会の提供は十分にできていないという実態が判明した。
今回の調査から、DXの推進にあたって企業が求める人材要件は「各現場でDXをリードし、考案力や課題発見力をもつ人」であることがうかがえた。DXを推進できる「高度デジタル人材の育成」のため、企業側も「学習機会の提供」を行い、十分な支援体制をとる必要があるだろう。
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